
整骨院の休眠患者を掘り起こす方法|30日・60日・90日別アプローチと文例【2026年版】
整骨院の休眠患者を掘り起こす方法|30日・60日・90日別アプローチと文例【2026年版】
「カルテ棚には何百人分の患者記録があるのに、最近の来院は新規と常連だけ」——この状態は、整骨院に眠っている最大の売上資源を放置しているのと同じです。一度来院した患者は院の場所も施術の質も知っており、新規患者よりはるかに低いコストで戻ってきてもらえます。
休眠患者の掘り起こしは、やみくもにDMを送る作業ではありません。休眠の定義を決める → リストを抽出する → 手段を選ぶ → 期間に合った文面で送る → 復帰率を測るという手順で進めれば、毎月の定例業務として仕組み化できます。
本記事では、休眠患者の定義と30日・60日・90日の期間基準、掘り起こしの4ステップ、期間別のそのまま使える文例、DM・ハガキとLINEの使い分けまでを解説します。
休眠患者とは — 定義と期間基準
休眠患者とは、通常の来院間隔を大きく超えて来院が途絶えた患者を指します。重要なのは「何日空いたら休眠か」を自院で明確に定義することです。基準がなければ、抽出も計測もできません。
| 経過期間 | 状態 | 復帰の見込み | 打ち手 |
|---|---|---|---|
| 30日 | 休眠予備軍 | 高い | 体調うかがいの個別連絡 |
| 60日 | 休眠初期 | 中程度 | 季節・症状に絡めた再発予防案内 |
| 90日以上 | 完全休眠 | 低下していく | メンテナンス提案・キャンペーン |
離脱から3ヶ月以内なら、掘り起こし配信で20〜30%程度の復帰が期待できます。半年以上経過すると復帰率は大きく下がるため、休眠対応は「気付いたら声をかける」ではなく「30日経過の時点で自動的に動く」仕組みにすることが成果を分けます。
期間を3段階に分けるのは、患者の心理が経過とともに変わるからです。一律「90日で休眠」と定義すると打ち手が遅すぎますし、30日の患者と90日の患者に同じ文面を送っても響きません。急性期で週1〜2回通っていた患者は30日、月1回のメンテナンス患者は60日からを目安に、自院の通院パターンに合わせて調整してください。

掘り起こしの全体フロー
ステップ1 休眠リストの抽出 — CRM・カルテからの洗い出し
掘り起こしの起点は「最終来院日」のデータです。顧客管理システム(CRM)があれば、最終来院日から30日・60日・90日経過した患者を条件指定で自動抽出できます。Excel管理なら最終来院日の列で並べ替え、紙カルテのみの院は直近3ヶ月のカルテ束から来院が途絶えた患者を手作業で拾います。
抽出時には、治療が完了して円満に卒業した患者、転居が分かっている患者を除外します。「まだ通院余地があるのに途絶えた患者」に絞ることで、配信の反応率も患者体験も良くなります。
初回の抽出では、開院数年の院でも90日以上の層が数十〜数百人規模で出てくるのが普通です。最初の1〜2ヶ月でこの蓄積分を掃き出せば、以降は毎月新たに休眠入りする患者だけを追う定常運用になり、作業は大幅に軽くなります。
休眠化する前の離脱予兆を捉える方法は整骨院の患者離れを防ぐ完全対策で解説しています。
ステップ2 手段の選択 — LINE・DM・電話の向き不向き
休眠患者への連絡手段は、患者との接点の残り方で決めます。
- LINE: 友だち登録済みの患者への第一選択。コストゼロで、その場で予約まで完結する
- ハガキDM: LINE未登録でも住所があれば届く。手書き風の一言を添えると開封後の印象が変わる
- 電話: 長く通った常連だった患者・高齢の患者向け。件数を絞り、押し売り感を出さないことが前提
全員に同じ手段を使う必要はありません。「LINE登録済みはLINE、未登録はハガキ」の2本立てが、コストと到達率のバランスが最も良い構成です。コストで見ると、100人へのハガキは郵送費だけで8,500円かかるのに対し、LINEはゼロ。手段の振り分けそのものが費用対効果を左右します。
電話を使う場合は「キャンペーンのご案内」ではなく「その後お身体はいかがですか」という気づかいの体裁を守ってください。売り込みの電話は、残っていた信頼まで損ないます。
ステップ3 配信の実行 — タイミングと頻度
掘り起こし連絡は「月1回の定例バッチ」として実行します。毎月1日に当月の30日・60日・90日経過者を抽出し、それぞれの文面で送る——この型にすると、忙しい月でも漏れません。
同じ患者への再アプローチは間隔を空けて最大2〜3回までとします。反応がない患者に送り続けると、ブロックやクレームにつながります。また、季節の変わり目や年度初めなど、身体の不調が出やすい・生活が変わるタイミングは復帰のきっかけを作りやすい時期です。
実行のルーティンは「毎月1日に抽出、3日までに配信」のように日付で固定します。配信時間帯は、仕事帰りに予約を考えやすい平日夕方か、週末の予定を立てる金曜日が無難です。
ステップ4 効果計測と改善
掘り起こしは復帰率で評価します。計算式は「配信後30日以内に来院した人数 ÷ 配信数 × 100」です。
| 改善の視点 | 見るべき比較 |
|---|---|
| 文面の改善 | 文例Aと文例Bで復帰率を比較する |
| 手段の改善 | LINEとハガキで復帰率・コストを比較する |
| 期間の改善 | 30日・60日・90日のどの層が最も戻るかを見る |
経験上も、休眠期間が浅い層ほど復帰率は高くなります。計測結果が「30日層の復帰が最も多い」と出たら、掘り起こしより前段の離脱防止(30日経過前のフォロー)に投資を移すのが正しい判断です。
復帰した患者は、通常の来院後フォロー(ステップ配信)に戻して再休眠を防ぎます。復帰率だけでなく「復帰後3ヶ月の継続率」まで見ると、掘り起こしが一時的な来院で終わっていないかを確認できます。

期間別アプローチと文例
掘り起こしの文面は、休眠期間によって「患者の心理」が違うことを前提に作ります。30日はまだ院を覚えている、60日は来院のきっかけを失っている、90日は通院の習慣自体が消えている——この差に合わせた3つの文例を、そのまま使える形で掲載します。
30日 — 体調うかがいメッセージ
販促色を出さず、純粋な「気づかい」として送るのがポイントです。
○○様、その後腰の調子はいかがですか。前回のご来院から1ヶ月ほど経ちましたので、気になってご連絡しました。痛みがぶり返す前の早めのケアが、結果的に通院回数を減らします。気になる症状があれば、こちらからお気軽にご予約・ご相談ください。
「腰の調子」の部分は、カルテや顧客管理システムの施術メモから患者ごとの部位を差し込みます。この個別感の有無だけで、反応は大きく変わります。
60日 — 季節・症状の再発予防案内
「あなたへの連絡」ではなく「季節の情報提供」の体裁にすると、間隔が空いた患者でも受け取りやすくなります。
朝晩の冷え込みが強くなってきました。寒さで筋肉がこわばるこの時期は、以前痛めた腰や肩の症状がぶり返しやすいタイミングです。違和感が出る前のメンテナンスをおすすめしています。今月のご予約はこちらからどうぞ。
90日 — メンテナンスキャンペーン
習慣が消えた患者には、「再開のきっかけ」になる具体的なオファーを提示します。
ご無沙汰しております、○○整骨院です。しばらくお身体のメンテナンスができていない方向けに、今月は「全身バランスチェック+調整コース」をご用意しました。お身体の状態を一度確認しに来ませんか。ご予約はこちらからどうぞ。
いずれの文例も、「必ず治る」などの効果保証表現は柔道整復師法・あはき法の広告規制に抵触するリスクがあるため使っていません。自院でアレンジする際も、効果の断定・保証は避けてください。

LINE配信の文面設計とNG表現の詳細は整骨院のLINE活用で再来院を増やす方法も参照してください。
DM・ハガキとLINEの使い分け
| 項目 | LINE | ハガキDM |
|---|---|---|
| コスト | 配信自体はほぼゼロ | 郵送費だけで1通85円+印刷費 |
| 到達 | ブロックされていなければ届く | 転居していると届かない |
| 反応導線 | その場で予約・返信が完結 | 電話・QRコード経由のひと手間 |
| 向く相手 | LINE登録済みの患者全般 | LINE未登録・高齢層・長期休眠層 |
コストと導線の面ではLINEが圧倒的ですが、ハガキには「手元に残る」「デジタル連絡に埋もれない」という独自の強みがあります。90日以上の長期休眠層には、LINEでは流されてしまう場合でも、ハガキの一通が再来のきっかけになることがあります。
現実的な運用は「30日・60日層はLINE中心、90日以上の層はハガキを併用」の組み合わせです。月1回のバッチ実行の中で、休眠期間と登録状況によって手段を出し分けてください。

よくある質問
Q1. 休眠患者とは何日来院がない患者を指しますか?
固定の定義はありませんが、通常の来院間隔を大きく超えた状態を指し、実務では30日(休眠予備軍)・60日(休眠初期)・90日以上(完全休眠)の3段階で管理するのが扱いやすい基準です。急性期で週1〜2回通っていた患者なら30日、月1回のメンテナンス患者なら60〜90日が休眠の目安になります。
Q2. 掘り起こしの復帰率はどのくらい見込めますか?
離脱から3ヶ月以内の患者なら、掘り起こし配信で20〜30%程度の復帰が期待できます。半年以上経過すると復帰率は大きく下がるため、休眠期間が浅いうちに動くことが最大のポイントです。配信後30日以内の来院を「復帰」と定義して毎月計測しましょう。
Q3. 何回連絡しても反応がない患者はどうすればいいですか?
間隔を空けて2〜3回アプローチして反応がなければ、定期配信の対象から外し、年1〜2回の全体向け案内のみに切り替えます。しつこい連絡はブロックや院の評判低下につながります。リソースは休眠期間の浅い層と、現在通院中の患者の離脱防止に振り向けるほうが、院全体の売上には効果的です。
まとめ
休眠患者の掘り起こしは「定義 → 抽出 → 手段選択 → 期間別文面 → 計測」の5点セットで、月1回の定例業務に落とし込めます。30日・60日・90日の期間基準を決め、最終来院日からリストを自動抽出し、LINEとハガキを出し分けて、復帰率で改善する——この型ができれば、カルテ棚の資産が毎月売上に変わり始めます。
そして掘り起こしと同時に、休眠化を防ぐ入口側の対策(来院後フォロー・離脱予兆検知)も整えてください。掘り起こしは「漏れた患者を戻す」施策であり、漏れを減らすほど効果が安定します。

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