整骨院の日次レジ締め・現金管理の実務ガイド|5区分の締め方と回数券前受金の記録【2026年版】
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整骨院の日次レジ締め・現金管理の実務ガイド|5区分の締め方と回数券前受金の記録【2026年版】

2026年8月4日24分で読める

整骨院の日次レジ締め・現金管理の実務ガイド|5区分の締め方と回数券前受金の記録【2026年版】

整骨院・鍼灸院の日次レジ締めは、保険自己負担・自費・物販・回数券前受金・キャッシュレスの5区分を1枚の日計表に集約し、現金の実査額を理論在高と突き合わせて差額(現金過不足)をゼロで確定するのが基本の締め方です。治療院は保険と自費が同じ会計に混在し、回数券のように代金を先に受け取るお金も動くため、区分を分けずに締めると売上とキャッシュフローを取り違えやすくなります。本記事では、5区分の日次レジ締め表と締めの5ステップ、回数券前受金の記録手順、現金過不足のチェックリストまでを実務に絞って整理します。

結論|治療院の日次レジ締めは「5区分を1枚」に集約して締める

日次レジ締めとは?治療院で5区分の切り分けが要る理由

保険自己負担・自費・物販・回数券前受金・キャッシュレスの5区分を1枚の日計表に集約する日次レジ締めの全体像図
保険自己負担・自費・物販・回数券前受金・キャッシュレスの5区分を1枚の日計表に集約する日次レジ締めの全体像図

日次レジ締めとは、その日の入金を数え、帳簿上の理論在高と実際の現金有高を一致させて1日の会計を確定させる作業です。小売店ならレジの現金を数えれば足りますが、治療院では入金の性質が分かれます。保険の窓口一部負担金、自費施術、テーピングなどの物販、回数券の前払い、キャッシュレス決済が同じ1日に混ざるためです。特に回数券は代金を先に受け取っても、その日の売上にはならないお金(前受金)です。これらを1本の合計だけで締めると、売上・前受金・現金残高がずれてしまいます。だからこそ、入金を5区分に切り分けて記録するのが治療院のレジ締めの出発点です。

5区分×記録先の早見表

日々の会計は、次の5区分に仕分けて記録先を固定すると迷いません。コピーして日計表の見出しに使える早見表です。

区分主な内容現金の動き記録先・売上計上
保険自己負担療養費の窓口一部負担金現金/キャッシュレス区分別売上(保険)。保険請求はレセコンが担当
自費自由診療・自費メニューの代金現金/キャッシュレス区分別売上(自費)
物販テーピング・健康器具などの物品販売現金/キャッシュレス物販売上
回数券前受金回数券・前売り券の販売代金現金/キャッシュレス前受金(負債)で記録し、施術時に売上へ振替
キャッシュレスクレジット・QR・電子マネー現金は動かない決済端末で現金と別枠に集計

「保険自己負担」は患者が窓口で支払う一部負担金の区分で、負担割合は患者ごとの医療保険によって異なります(本記事では割合の数値には踏み込みません)。治療院HUBのような患者管理・レジ締めシステムは、この区分別売上や回数券残数の集計を担うもので、療養費の保険請求そのものは行いません(保険請求は既存のレセコンが担当します)。保険と自費の分け方は整骨院の受領委任・療養費(保険)入門、自費メニューの設計は整骨院の自費メニュー導入を参照してください。

治療院の日次レジ締め 5ステップ

釣銭準備金のセットから現金実査・過不足確定・保管までの日次レジ締め5ステップのフロー図
釣銭準備金のセットから現金実査・過不足確定・保管までの日次レジ締め5ステップのフロー図

締めは毎日同じ順番でなぞると、属人化とミスを防げます。5区分の考え方を、開店前から保管までの5ステップに落とし込みます。

STEP1 開店前に釣銭準備金を固定額でセットする

開店前に、釣銭用の現金を毎日同じ固定額でレジにセットし、その金額を日計表に記録します。準備金を固定しておくと、1日の終わりに「実際の現金 −釣銭準備金 =その日の現金売上」という引き算で売上を機械的に割り出せます。準備金の額が日によって変わると、締めのたびに基準がぶれて現金過不足の原因になります。前日の売上金は準備金と分けて保管するのが基本です。

STEP2 会計ごとに5区分で入金を仕分ける

会計のつど、受け取った代金を保険自己負担・自費・物販・回数券前受金・キャッシュレスの5区分のどれかに割り当てます。1回の会計で保険自己負担と物販が混ざることもあるため、レシートや施術記録と照らして区分ごとに金額を記録します。回数券の販売代金を通常の売上と一緒に数えると後の締めが合わなくなるので、区分の割り当てはその場で済ませます。

STEP3 キャッシュレス・回数券を現金と別枠で集計する

キャッシュレス決済はその場で現金が動かないため、レジの現金には加えず決済端末の集計で別枠管理します。この別枠管理を徹底しないと、キャッシュレス分を現金売上に二重計上して現金過不足が生じます。キャッシュレスの導入と精算のしくみは治療院のキャッシュレス決済導入で詳しく整理しています。

STEP4 現金を実査し日計表の理論在高と突き合わせる

閉店後、レジの現金を硬貨・紙幣ごとに数えて実査額を出します。次に、日計表の理論在高(釣銭準備金+現金で受け取った売上 −現金で払い出した返金・両替)を計算し、実査額と突き合わせます。両者が一致すれば締めは完了です。差が出た場合は、STEP2・STEP3の区分の記録漏れや二重計上を疑います。キャッシュレス・回数券前受金は現金が動かないので、理論在高の計算に含めない点に注意します。

STEP5 現金過不足を確定し、日計表と控えを保管する

実査額と理論在高の差は、原因が分からなくても当日中に「現金過不足」として金額を確定し、翌日に持ち越しません。締めた日計表と領収書控えは、後日の照会や申告に備えて保管します(保管期間はよくある質問を参照)。締めは手順を固定して属人化を減らすことが先決です。日次売上を区分別に自動集計したい場合は整骨院のKPI・数値管理のように、記録を経営指標につなげる運用も検討できます。

回数券・前受金を日次締めでどう記録するか

回数券を販売した日に前受金として記録し、施術日に1回分を売上へ振り替える消込のタイムライン図
回数券を販売した日に前受金として記録し、施術日に1回分を売上へ振り替える消込のタイムライン図

回数券は代金を先に受け取り、施術のたびに1回分を使うため、販売日と施術日で記録が変わります。会計の考え方が絡むので、日次締めでの記録手順にしぼって整理します。

回数券を売った日は売上ゼロ・前受金で記録する

回数券を販売した日は、代金を受け取っても、その全額をその日の売上にはしません。受け取った代金は前受金(負債)として記録します。前受金は受け取った時点では売上にならず、役務(施術)を提供した時が売上と消費税の計上時期になるためです(国税庁タックスアンサーNo.6165)。回数券のようなプリペイド型の代金も、販売時点では消費税の課税関係は生じず、1回分を使って施術した時に課税売上となります(国税庁タックスアンサーNo.6229)。なお会計上は、回数券を発行時に収益計上する方法と、前受金として引換時に収益計上する方法のいずれも認められており(国税庁 質疑応答事例)、自院での確定は顧問税理士に確認してください。回数券の設計や販売の考え方は整骨院の回数券・前売り券の作り方を参照してください。

回数券を使った日に1回分だけ売上へ振り替える

回数券を使って施術した日は、使った回数分(例として1回分)だけを前受金から売上へ振り替えます。この日は新たな現金入金がないため、現金残高は動かさず、売上と前受金の残高だけを更新します。これが「消込」で、日次締め表では前受金の残高が1回分だけ減ります。前受金の残高は未消化の回数券を表すので、実際の未消化枚数と合っているかを定期的に確認すると、計上漏れに気づけます。消込の仕訳や税務の詳細は、税理士への確認と前述の関連記事にゆずります。

現金過不足の原因と再発防止

現金過不足が出る典型パターンと切り分け手順

現金過不足の3つの典型パターンと当日確定・決算時の雑収入雑損失振替を分けて示した切り分けフロー図
現金過不足の3つの典型パターンと当日確定・決算時の雑収入雑損失振替を分けて示した切り分けフロー図

現金過不足は、盗難よりも記録のずれで起きることがほとんどです。次の3つを先に切り分けると、原因の多くはこの段階で判明します。1つ目は釣銭準備金の戻し忘れや金額違い、2つ目はキャッシュレスや回数券前受金の分を現金売上に混同していないか、3つ目は返金・両替の記録漏れです。これらを確認しても合わない原因不明分は、運用上は当日中に金額を確定し、翌日に持ち越しません。

一方、会計上の処理は運用とレイヤーが分かれます。帳簿の現金残高と実際有高の差は、いったん「現金過不足」勘定で記録し、決算までに原因が判明しなければ、超過分(現金過剰)は雑収入、不足分は雑損失に振り替えます。この振替は決算時の処理であり、日々の締めで差額をそのまま雑収入・雑損失に落とすわけではない点を混同しないようにします。

コピーして使える現金過不足チェックリスト

締めが合わないときに上から順に確認する現金過不足チェックリスト6項目の図解
締めが合わないときに上から順に確認する現金過不足チェックリスト6項目の図解

締めが合わないときに上から順に確認できるチェックリストです。院内に掲示し、担当者が変わっても同じ手順でたどれるようにします。

  1. 釣銭準備金を固定額でセットし、前日の売上金と分けて保管したか
  2. キャッシュレス売上を現金の実査額に含めていないか
  3. 回数券の販売代金を現金売上(当日の売上)に二重計上していないか
  4. 返金・値引き・両替を記録し、理論在高の計算に反映したか
  5. レシート・施術記録と区分別の金額が一致しているか
  6. それでも合わない差額は現金過不足として当日に確定し、翌日に持ち越していないか

よくある質問

Q1. 整骨院のレジ締めは、1日1回どこをそろえればいいですか?

釣銭準備金・現金の実査額・キャッシュレス売上・回数券の販売と消化・保険自己負担/自費/物販の区分別売上を突き合わせ、日計表の理論在高と現金実査額の差(現金過不足)をゼロで確定します。この5区分の仕分けを1枚の日次締め表に集約するのが基本です。

Q2. 回数券を販売した日や使った日は、レジ締めでどう記録しますか?

販売した日は、代金を受け取っても売上にはせず前受金(負債)として記録し、施術で1回分を使った日に前受金から売上へ振り替えます(消込)。前受金や回数券は、施術を提供した時が売上・消費税の計上時期です(国税庁タックスアンサーNo.6165・No.6229)。会計処理には複数の方法が認められるため、自院への当てはめは顧問税理士に確認してください。詳しくは整骨院の回数券・前売り券の作り方を参照してください。

Q3. 締めた日計表や領収書控えは、どのくらい保存すればよいですか?

帳簿や領収書などの保存期間は事業形態で分かれます。法人は原則7年(欠損金が生じた事業年度等は10年)、個人事業主の青色申告は原則7年(前々年分の所得が一定額以下の場合は書類の一部が5年)、白色申告は法定帳簿が7年・任意の帳簿や書類は5年が目安です(国税庁タックスアンサーNo.5930)。詳細は自院の申告区分にあわせて確認してください。

Q4. 現金過不足が出たとき、まず何を確認すべきですか?

釣銭準備金の戻し忘れ、キャッシュレスや回数券の分を現金売上に混同していないか、返金・両替の記録漏れ、の3点を先に確認します。それでも合わない原因不明分は現金過不足として当日に確定し、翌日には持ち越しません。会計上は現金過不足勘定で記録し、決算までに原因が判明しなければ雑収入・雑損失へ振り替えます。

Q5. レジ締めにレジ(POS)や電子カルテは必須ですか?

必須ではありません。5区分の日計表と現金実査ができれば、手書きやExcelでも締められます。予約・患者管理システムや会計ソフトと連携させると、区分別売上と回数券残数の集計を自動化でき、締めの転記ミスを減らせます。治療院HUBはレジ(POS)そのものではなく、区分別売上や回数券残数の集計・患者管理を担う立ち位置です。

まとめ|日次締めは「様式の固定」で属人化と過大計上を防ぐ

治療院の日次レジ締めは、保険自己負担・自費・物販・回数券前受金・キャッシュレスの5区分を1枚の日計表に集約し、釣銭準備金の固定・区分の仕分け・キャッシュレスと回数券の別枠集計・現金実査・過不足の当日確定という5ステップでなぞるのが基本です。回数券は販売日に前受金(負債)で記録し、施術日に1回分を売上へ振り替えます。現金過不足は運用上は当日に確定し、会計上の雑収入・雑損失への振替は決算時に行う——このレイヤーの違いを押さえて様式を固定することが、属人化と売上の過大計上を防ぐ近道です。


日次の売上集計と回数券残数の管理を、患者管理と一体で

治療院HUBは整骨院・鍼灸院向けの業務管理SaaSです。保険自己負担・自費・物販の区分別売上や回数券残数の集計、予約・患者管理・LINE再来案内までを一つに集約し、日次レジ締めの転記ミスや回数券の期ずれを防ぎます。保険請求(レセプト)は既存のレセコンがそのまま担うため、乗り換えずに併用できます。

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著者・監修:依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)

整骨院・鍼灸院向け業務管理SaaS「治療院HUB」を開発・運営するYDAIコンサルティング株式会社の代表です。治療院の予約・患者管理、保険と自費の運用設計に関する情報発信を行っています。本記事は国税庁タックスアンサー(令和7年4月1日現在法令等)など公的機関の一次資料に基づいて作成しています。

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