
整骨院の問診票|必須項目・電子問診の作り方と受付時間短縮の手順【2026年版】
整骨院の問診票|必須項目・電子問診の作り方と受付時間短縮の手順【2026年版】
「整骨院の問診票には何を書いてもらえばいいのか」「紙の問診票を電子問診に変えたいが、何から手を付ければいいか分からない」——初回の受付フローは院ごとに我流になりがちで、標準が見えにくい部分です。
結論から言うと、整骨院・鍼灸院の問診票で必ず押さえるべきは主訴・既往・同意の3点です。本記事では、必須項目を3カテゴリに分けた早見表、柔整とあはきで異なる確認事項、紙から電子問診への移行手順、受付時間と記入負担を減らすコツまで実務目線で整理します。
結論:整骨院の問診票は『主訴・既往・同意』の3点を必ず押さえる
整骨院の問診票で最低限必要なのは、(1)主訴・来院理由・負傷原因、(2)既往歴・現病歴・服薬・アレルギー、(3)個人情報の取扱いと施術への同意、の3カテゴリです。これに氏名・連絡先などの基本情報を加えた5系統が初回受付の土台になります。
なぜこの3点か。主訴と負傷原因は施術方針を決める起点であり、柔道整復では療養費の対象判断にも直結します。既往歴・服薬・アレルギーは施術リスク管理に欠かせません。同意欄は、病歴という要配慮個人情報を扱う以上、適正取得の前提になります。
ここで混同しやすいのが、問診票とカルテ(施術録)の違いです。問診票は来院時に患者が記入する申告書、施術録は施術者が作成し保存義務がかかる記録で、別物です。問診票の内容は施術録に転記・反映されます。施術録の書き方や保存ルールは整骨院のカルテ完全ガイドで解説しています。

整骨院・鍼灸院の問診票に必須の項目【早見表】
整骨院・鍼灸院の問診票に必須の項目は、目的別に3カテゴリへ整理すると抜け漏れが防げます。次の早見表は、各項目の確認目的と、柔整・あはきで比重が変わる点を整理したものです。
| カテゴリ | 主な項目 | 確認目的 | 比重が高い施術 |
|---|---|---|---|
| 主訴・来院理由 | 主訴・症状の部位・発症時期・負傷原因(いつ/どこで/どう) | 施術方針の決定・療養費対象判断 | 柔整 |
| 既往・健康状態 | 既往歴・現病歴・服薬・アレルギー・妊娠の有無 | 施術リスク管理・禁忌の把握 | あはき |
| 同意・受付事務 | 利用目的への同意・施術同意・氏名・連絡先 | 適正取得・連絡手段の確保 | 共通 |
3カテゴリを土台に、自院の施術内容へ合わせて項目を足し引きします。各カテゴリを解説します。
主訴・来院理由・負傷原因(柔整で特に重要)
主訴と負傷原因の欄は、柔道整復で特に重要です。療養費の支給対象が限定されているためです。
厚生労働省『柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準』によると、柔道整復療養費の支給対象となる負傷は急性または亜急性の外傷性の骨折・脱臼・打撲・捻挫であり、単なる肩こりや筋肉疲労は対象外とされています(参照:厚生労働省 柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて)。
したがって問診票では「いつ・どこで・どのような動作で痛めたか」という受傷機転を具体的に記入してもらう設計が望ましく、これが施術方針と保険取扱いの判断材料になります。なお脱臼・骨折への施術は、応急手当を除き医師の同意が前提となる点も受付段階で把握したいポイントです。
既往歴・現病歴・服薬・アレルギー(あはき・施術リスク管理)
既往歴・服薬・アレルギーの欄は、施術リスクを管理するために必須です。特に鍼灸・あん摩マッサージ指圧(あはき)では、慢性症状や体質を踏まえた施術が中心のため、ここの情報量が施術の安全性を左右します。
具体的には、過去の大きなケガ・手術歴、現在治療中の疾患、服用中の薬、金属アレルギーや出血傾向の有無などを確認します。あはきの根拠法であるあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)に基づき免許を持つ施術者が業務を行う前提で、禁忌を避ける申告欄にします。
なお既往歴や病歴は、後述の通り個人情報保護法上の要配慮個人情報にあたります。記入は任意項目であると添え、必要な範囲に絞るのが現場の実務です。
同意・個人情報の取扱い・受付事務項目
同意欄と個人情報の取扱い明示は、問診票に設けるのが望ましい項目です。問診票で取得する病歴・健康状態が、個人情報保護法上の要配慮個人情報に該当するためです。
個人情報保護委員会の解説によると、要配慮個人情報には病歴や健康診断の結果などが含まれ、取得にあたっては利用目的をできる限り具体的に特定・明示することが求められます(参照:個人情報保護委員会 要配慮個人情報とは)。そのため問診票には「施術・予約管理・連絡のために利用する」といった利用目的を明記し、同意を確認する欄を設けます。
受付事務項目としては、氏名・連絡先(電話・LINE等)・来院きっかけなどを加えます。同意・個人情報保護の詳しい運用は別テーマのため、ここでは項目設計に絞って扱います。

紙の問診票から電子問診へ移行する手順
紙の問診票から電子問診への移行は、いきなりシステムを導入するのではなく「項目の標準化→フォーム化→患者管理との連携」の3ステップで進めるのが失敗しない順序です。手順を踏むことで現場が混乱せず、転記ミスもなくせます。
電子問診とは、患者がタブレットやスマホで問診項目を入力し、その内容をデジタルデータとして受け取る仕組みです。なお電子問診は、療養費の計算を担う既存レセコンとは役割が異なります。レセプト・保険請求はレセコン、問診と患者管理は電子問診側、という役割分担で考えるのが現実的です。
ステップ1:紙問診票の項目を棚卸しして標準テンプレ化する
最初に行うのは、いま使っている紙問診票の項目を棚卸しし、標準テンプレートに整理することです。電子化の前に項目を固めないと、フォーム化の段階で迷子になります。
具体的には、現行の問診票を「主訴・既往・同意」の3カテゴリに振り分け、重複や使われていない欄を削ります。柔整なら負傷原因、あはきなら既往・体質の欄を厚めにするなど、自院の施術に合わせて取捨選択します。この段階で必須項目と任意項目を仕分けすると、後の入力フォーム設計が楽になります。
ステップ2:電子問診の入力フォームに置き換える(QR・タブレット)
次に、標準化した項目を電子問診の入力フォームに置き換えます。来院前にQRコードからスマホで入力する方法と、来院後に受付のタブレットで入力する方法の2通りがあります。
選択式(ラジオボタン・チェックボックス)を中心に設計すると、患者の入力負担が下がり、文字が読み取れないトラブルもなくなります。来院前にスマホで入力できる事前問診にすれば、待合での記入時間そのものを省けます。最初は一部の項目だけ電子化し、紙と併用しながら現場に慣らすと移行がスムーズです。
ステップ3:患者管理・カルテと連携して転記をなくす
最後に、電子問診で得たデータを患者管理システムと連携し、受付からの転記作業をなくします。ここまで来て初めて「入力が一度で済む」状態になり、受付の手間と転記ミスが同時に消えます。
問診で得た主訴・既往・連絡先が患者台帳に自動でひも付けば、施術メニュー・回数券・再来案内まで同じデータで管理できます。紙の手入力を残すと電子化しても二度手間が残るため、連携までを移行のゴールに据えるのが重要です。
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問診票の標準化で受付時間と記入負担を減らすコツ
問診票を標準化すると、患者の記入負担と受付時間の両方を減らせます。ポイントは「設問を選択式・最小限にする」ことと「来院前に入力を済ませてもらう」ことの2つです。
下表は、紙問診と電子問診(事前問診)の負担を比較した独自整理です。時間は前提を明示した試算モデルで、自院の数値を断定するものではありません。
| 項目 | 紙の問診票 | 電子問診(事前入力) |
|---|---|---|
| 記入場所 | 来院後・待合 | 来院前・自宅のスマホ |
| 受付の転記 | 必要(手入力) | 不要(自動取込) |
| 転記ミス・判読不能 | 起こりうる | 解消されやすい |
| 待ち時間への影響 | 記入時間ぶん増える | 記入を省ける |
※受付時間の試算(前提:紙の転記1件3分×1日の新患2件=1日6分・月25営業日で約150分)はモデルケースです。効果は院の運用・新患数により変動します。
記入負担を下げる設問設計(選択式・分岐・必須最小化)
記入負担を下げる最大のコツは、自由記述を減らして選択式を中心にすることです。書く量が減れば患者は迷わず、受付も読みやすくなります。
具体的には、主訴や症状の部位はチェックボックスや人体図のタップで選べるようにし、当てはまる人だけ追加項目が出る分岐設計にします。必須項目は本当に必要なものに絞り、それ以外を任意にすれば初回のハードルを下げられます。要配慮個人情報にあたる既往欄も、必要な範囲に限定する設計が望ましいといえます。
受付時間を短縮する事前問診(来院前のスマホ入力)
受付時間を短縮する決め手は、来院前にスマホで問診を済ませてもらう事前問診です。来院時にはデータが届いているため、受付での記入・転記が不要になります。
予約確定後にQRコードや入力リンクを送り、来院前に入力してもらう運用が基本です。入力済みデータを患者管理にひも付ければ、施術者は来院前に主訴と既往を把握でき、当日の施術がスムーズになります。

よくある質問(FAQ)
Q1. 整骨院の問診票に最低限必要な項目は何ですか?
主訴・来院理由、負傷原因(いつ・どこで・どう痛めたか)、既往歴・現病歴・服薬・アレルギー、氏名・連絡先などの基本情報、個人情報の取扱いと施術への同意、の5系統が最低限です。柔道整復では負傷原因の確認が特に重要です。なお問診票は患者が記入する申告書で、施術録(カルテ)とは別物です。
Q2. 問診票(問診の記録)はカルテと同じものですか?
別物です。問診票は来院時に患者が記入する申告書、カルテ(施術録)は施術者が作成・保存する記録です。柔道整復の受領委任の取扱いでは、施術録は施術完結の日から5年の保存が求められ、問診票の内容はこの施術録に転記・反映されます(参照:厚生労働省 施術録 様式参考例)。詳しくは整骨院のカルテ完全ガイドをご覧ください。
Q3. 紙の問診票を電子問診に変えると何が良くなりますか?
来院前のスマホ入力で待ち時間が減り、受付の転記作業と転記ミスがなくなります。患者管理システムに自動で取り込めば、施術メニューや再来フォローにも活用できます。本記事の試算モデル(紙の転記1件3分×新患2件で1日6分)のように、受付の手作業時間を圧縮できます。選び方は整骨院の電子カルテで整理しています。
Q4. 問診票に同意欄は必要ですか?個人情報はどう扱えばいいですか?
個人情報の利用目的への同意と、施術内容への同意を設けるのが望ましいです。問診票で取得する病歴・健康状態は個人情報保護法上の要配慮個人情報にあたり、利用目的をできる限り具体的に明示することが求められます(参照:個人情報保護委員会)。利用目的を記載し、同意を確認する欄を設けるのが基本です。
Q5. 鍼灸院(あはき)と整骨院(柔整)で問診票の項目は違いますか?
基本構造(主訴・既往・同意)は共通ですが、比重が変わります。柔整は急性・亜急性の外傷性の負傷原因(受傷機転・日時・部位)の確認が重要で、療養費の対象判断にも関わります。あはきは慢性症状・既往歴・体質・施術部位の確認に比重があります。柔整/あはきの別を意識して項目を調整しましょう。
まとめ
整骨院・鍼灸院の問診票は、主訴・既往・同意の3点を土台に、氏名・連絡先を加えた5系統で設計するのが基本です。柔整は急性・亜急性の外傷性の負傷原因、あはきは既往・体質に比重を置きます。病歴は要配慮個人情報にあたるため、利用目的の明示と同意欄を忘れずに設けましょう。紙から電子問診への移行は「標準化→フォーム化→患者管理との連携」の順で進めると、転記ミスと受付時間を同時に減らせます。問診票はカルテとは別物である点を押さえ、得たデータを患者管理まで一気通貫でつなぐのがゴールです。

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