
治療院の雇用契約書・労働条件通知書|初採用前に決める実務
治療院の雇用契約書・労働条件通知書|初採用前に決める実務
治療院で初めてスタッフを雇うときは、契約書の文言を先に埋めるのではなく、施術・受付・予約・患者情報・引継ぎの担当範囲を院内で決めることが先です。職種名だけを決めても、誰が予約変更を承認し、どこまで患者情報を見て、何を正式記録へ残すかは伝わりません。
この記事は、雇用契約書や労働条件通知書の法定項目、交付要件、期限、適法性を断定するものではありません。現行の公的ひな型や労務の専門家へ渡す前に、治療院固有の職務、権限、予約枠、患者データ接点、記録、引継ぎを院長が整理する前工程を扱います。
採用後の運用まで想像し、「契約に反映したい事項」と「院内マニュアルで定める事項」を分けます。未確定項目は空欄のままにせず、要確認として確認先と担当を置いてください。スタッフ別シフトと患者情報の権限を初日までに一致させることが、少人数院の引継ぎを安定させます。
公的ひな型を使う前に院内決定を早見する

ひな型を開く前に、雇用形態、担当業務、予約枠、患者情報、記録・引継ぎを一枚へ並べます。法的結論ではなく、専門家へ渡す院内事実を整えます。
本記事が扱う前工程の定義
本記事の雇用文書準備とは、法的ひな型を作ることではなく、ひな型へ反映すべき治療院固有の業務・権限・記録・引継ぎを院内で確定する前工程です。雇用形態の呼び方だけで法的区分を決めず、予定する働き方を事実として書き出します。
書き出す項目は、勤務する曜日・時間帯の考え方、施術と受付の担当、会計、予約変更、患者情報へのアクセス、施術録・簡易メモの更新、欠勤時の引継ぎ、院外連絡です。賃金等の条件は自院の具体案を別に整理し、現行の公的資料で確認します。
表の各行に「院内決定」「文書記載候補」「マニュアル候補」「要確認」を付けます。一つの文章へ急いでまとめず、判断が必要な箇所を見える状態にしてください。
法定項目・期限は現行公的資料で確認する
雇用契約書と労働条件通知書の役割、記載事項、交付方法、期限は、採用時点の公的資料と社会保険労務士等の専門家へ確認します。労務分野の法令・様式は改正が重ねられているため、古いひな型や他院の文面をそのまま使う根拠にはできません。
公的ひな型を入手したら、版・取得日・確認先を残し、自院の決定事項をどの欄へ反映するかを照合します。ひな型にない院内運用は、契約文書へ無理に押し込まず、専門家と相談して就業ルールや手順書等の適切な置き場所を決めます。
| 院内決定 | 自院の案 | 文書記載候補 | マニュアル候補 | 確認事項・依頼先 |
|---|---|---|---|---|
| 雇用形態・働き方 | 空欄 | 空欄 | 空欄 | 公的資料・専門家 |
| 担当業務 | 空欄 | 空欄 | 空欄 | 専門家 |
| 予約枠・変更権限 | 空欄 | 空欄 | 空欄 | 院長・専門家 |
| 患者情報・記録 | 空欄 | 空欄 | 空欄 | 方針・専門家 |
| 引継ぎ・変更 | 空欄 | 空欄 | 空欄 | 院長・専門家 |
施術者・受付の職務範囲を決める

職務範囲は「施術者」「受付」という肩書だけで終えず、開始・承認・記録・引継ぎの単位で決めます。兼務するときの優先順位も必要です。
施術・説明・記録・会計の担当を分ける
施術者については、担当できる施術・メニュー、患者への説明、施術録の作成・確認、会計前の伝達、次回提案、院長へ報告する条件を整理します。資格や施術管理者等の法的要件は、現行の所管資料で別に確認してください。
説明担当と記録担当が同じでも、説明内容、説明日、患者の反応、次回確認をどこへ残すかを決めます。施術録は正式な施術記録、患者管理の簡易メモは予約・連絡補助として役割を分けます。会計金額の決定権限も受付へ曖昧に渡しません。
初採用では、できる業務の一覧だけでなく、院長確認が終わるまで行わない業務を明記します。教育計画は整骨院のスタッフ教育・定着へつなぎ、習熟に応じた権限変更を記録します。
受付・予約・LINE・引継ぎの担当を分ける
受付については、来院受付、会計補助、WEB予約・電話・LINEの変更受付、患者情報の確認、施術者への伝達、終業時の引継ぎを分けます。予約を受けられることと、メニュー・担当・価格を変更できることは別の権限です。
LINEでは、使用する院内文面、返信できる内容、院長へ戻す質問、送信前確認が必要な場面を決めます。患者から症状や保険に関する質問が届いても、受付が医学・算定判断を行う前提にしません。返信内容と担当への引継ぎを簡易メモに残します。
| 業務 | 施術者 | 受付 | 院長確認 | 記録先 |
|---|---|---|---|---|
| 施術・説明 | 担当範囲を定義 | 予約・伝達 | 範囲変更 | 施術録・説明記録 |
| 会計 | 内容伝達 | 会計対応 | 例外判断 | 会計側記録 |
| 予約変更 | 担当枠確認 | 受付・変更 | 例外承認 | 予約履歴 |
| LINE | 専門質問へ回答 | 定型連絡 | 内容承認 | 連絡履歴 |
| 引継ぎ | 施術・次回 | 予約・連絡 | 未完了確認 | 引継ぎ欄 |
予約枠と患者情報の取扱いを決める

勤務時間だけでなく、スタッフが触れる予約枠と患者データを業務ごとに対応させます。全員へ同じ権限を渡す運用は避けます。
スタッフ別シフトと予約変更の権限を決める
スタッフ別シフトには、勤務予定、施術可能なメニュー、院内・訪問の場所、受付可能な枠、休憩・引継ぎ時間を結びます。予約変更は「自分の担当枠」「他スタッフの枠」「院長承認が必要な例外」に分け、二重予約を防ぐ確認順を決めます。
当日欠勤や遅刻では、誰が患者へ連絡し、代替担当を判断し、WEB予約枠を閉じ、LINEへ案内するかを決めます。雇用文書へどこまで記載するかは専門家へ確認し、具体的な画面操作は院内マニュアルで教えます。
治療院HUBではスタッフ別シフト、WEB予約、LINE連絡、患者情報、来院・訪問履歴、簡易メモを管理できます。勤怠、給与、労務判断、雇用文書の作成を行う機能ではありません。
患者情報・簡易メモ・正式記録の境界を決める
患者情報は、氏名・連絡先等の基本情報、予約履歴、来院・訪問履歴、連絡メモ、施術録、会計側記録に分けます。受付へ必要な範囲と、施術者・院長だけが確認する範囲を業務から逆算します。一律の全面アクセスを前提にしません。
治療院の患者情報・個人情報保護も参照し、閲覧、更新、共有、持ち出し、退職時のアクセス停止を決めます。整骨院の問診票・電子問診から得た情報も、受付確認と施術者確認を分けます。
簡易メモは予約・連絡・引継ぎの補助です。正式な施術内容や事故記録を複製せず、正本へ移る参照方法を決めます。アクセス権を変更した日と承認者を台帳へ残してください。
決定事項を現行ひな型・専門家へ渡す

院内の話し合いを文章へ急いで変換せず、「現状」「決定」「要確認」の三列で専門家へ渡します。未確定と見落としを分けます。
現状・決定・要確認の3列で整理する
現状欄には、現在の営業時間、院長が行う業務、使用中の予約・患者情報・施術録、想定シフトを事実として書きます。決定欄には、採用者へ任せる業務、承認が必要な業務、記録先、引継ぎ方法を置きます。
要確認欄には、雇用形態の整理、労働条件、文書の記載・交付、就業ルール、資格・所管要件、個人情報の扱いなど、現行資料や専門家の確認が必要な事項を置きます。自院で未決定なのか、法的確認待ちなのかも区別してください。
専門家へ渡す際は、ひな型の空欄だけでなく、この三列表と一日の業務フローを共有します。実態と文書が異なる場合は、文言だけ整えず運用側も見直します。
交付・受領・版管理の証跡を残す
確認済みの文書を使うときは、文書名、版、対象者、交付方法、交付日、受領確認、説明担当、変更履歴を管理します。どの証跡が必要かは現行の公的案内と専門家へ確認し、自院の一覧に反映してください。
文書を修正したら、旧版を消さず、適用開始、変更理由、確認者、対象スタッフへの説明を残します。メール、紙、電子署名等のどの方法を使う場合も、最新版の所在と閲覧権限を統一します。
治療院HUBの患者メモへ雇用文書を保管せず、労務文書は適切な保管先へ分けます。患者管理側には、スタッフ別シフトと業務権限の運用結果だけを反映します。
初日運用と変更時の見直しを決める

契約文書を交付して終わりにせず、初日に予約・患者情報・記録・引継ぎを実際の画面と場面で確認します。変更時の戻り先も決めます。
初日に予約・患者情報・引継ぎを確認する
初日は、(1)担当業務と院長確認の境界、(2)スタッフ別シフトと予約枠、(3)患者情報の閲覧・更新範囲、(4)施術録と簡易メモの違い、(5)LINE・電話の引継ぎ、(6)終業時の未完了一覧を順に確認します。
架空患者または個人情報を含まない練習用データで、予約受付、変更、院長への戻し、引継ぎを練習します。実患者情報を研修資料へ複製しないでください。初日確認表には、説明者、確認した操作、質問、再確認項目を残します。
1人院が初めて1人を採用する場合も、院長の頭の中にある例外を言葉にします。できなかった操作は権限を広げる前に原因を確認し、再教育日を決めます。
職務・シフト変更時に文書と運用を見直す
施術から受付への兼務追加、勤務時間・曜日の変更、訪問枠の追加、患者情報の権限変更、休職・退職等があれば、文書と実運用の双方を見直します。どの変更が文書対応を要するかは専門家へ確認してください。
変更表には、変更前、変更後、開始時点、影響する文書・マニュアル・画面、確認者、本人への説明を並べます。スタッフ別シフトだけ先に変え、文書や権限が旧状態のまま残らないようにします。
事故時の担当変更も治療院の賠償責任保険と事故への備えで確認し、連絡カード、記録者、確認者を更新します。
治療院の雇用文書FAQ
文書の役割、本文表の用途、患者情報、施術管理者要件について、本記事で確定しない範囲を明確にします。
雇用契約書と労働条件通知書は同じものですか
本記事では同じと断定しません。二つの文書の役割、記載事項、交付方法は、採用時点の公的案内と労務の専門家へ確認してください。ここでは両文書へ渡す院内情報を整理します。
この記事の表を契約書として使えますか
使えません。本文表は、職務・権限・予約枠・患者情報・記録・引継ぎを院内で決めるための整理表です。現行の公的ひな型または専門家が確認した文書へ反映してください。
受付スタッフへ患者情報をすべて見せるべきですか
一律の全面アクセスは推奨しません。受付業務に必要な情報と操作を定め、個人情報保護方針、正式記録との境界、院長へ戻す条件、退職時の停止を決めます。
施術管理者の要件もこの記事で確定できますか
確定できません。施術管理者の要件は受領委任の取扱規程等で定められ改正も重ねられているため、本記事では実務経験年数や登録手順を断定しません。所管の最新一次資料と専門窓口で確認してください。
まとめ|契約文言の前に職務・予約・患者情報を決める
初採用では、契約書の文言より先に、施術・受付・会計・予約・LINE・患者情報・記録・引継ぎの担当と権限を決めます。「現状」「決定」「要確認」に分け、現行の公的ひな型と専門家へ渡してください。
初日はスタッフ別シフト、WEB予約、患者情報、簡易メモ、正式記録の境界を実際に確認し、職務変更時は文書・マニュアル・画面権限を一組で更新します。治療院HUBは採用後の予約と患者管理を支えますが、労務判断や雇用文書の作成は行いません。
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