
柔整療養費の2026年7月改定|1〜3人院の対応工程
柔整療養費の2026年7月改定|1〜3人院の対応工程
2026年7月1日施術分からの柔整療養費改定では、料金だけでなく、多部位、長期施術、再検、自己・自家施術、明細書の院内運用を更新する必要があります。(出典: 厚生労働省「『柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準』の一部改正について」(令和8年6月1日 保発0601第4号))6月1日の改正通知だけで確定せず、6月23日と7月21日の訂正まで一組で照合します。
この記事では、改定値を料金掲示、レセコン設定確認、施術録、患者説明、明細書へ割り当て、1人院と2〜3人院の切替順を示します。請求処理は既存レセコンと現行通知で確認し、治療院HUBの役割は患者情報、来院履歴、予約、LINE連絡、自費動線の管理に限定します。療養費制度の入口は整骨院の受領委任・療養費入門で確認してください。
改定一覧は「新しい金額」の表だけで終わらせず、旧ルール、改定後、訂正の有無、院内で直す資産、担当、確認日を一行にします。こうしておくと、後から訂正通知が出た場合も、患者説明だけ直して施術録が古いまま残るといった版ずれを発見できます。
2026年7月改定の変更点を早見する

改定対応は、施行日、算定基準、実施上の留意事項、二つの訂正通知を同じ版管理表で読むところから始まります。通知ごとの役割と最終状態を横並びにします。
施行日と2件の訂正事務連絡
改定は2026年7月1日以降の施術分から適用されます(出典: 厚生労働省「算定基準」の一部改正、保発0601第4号)。ただし、初検料の算定制限(第2の1)と、初検料を算定できなかった場合の再検料(第4の3)については、2026年7月1日以降に負傷の治癒または施術の中止があった場合に適用されます(出典: 厚生労働省「留意事項通知」の一部改正、保医発0601第1号)。6月23日の事務連絡は、明細書発行加算の適用日表記を2026年7月1日へ訂正しました(出典: 厚生労働省「留意事項通知」の一部訂正、令和8年6月23日)。
7月21日の事務連絡には二つの訂正があります。一つは、初検料を算定できなかった場合の再検料について、起算の文言を「治癒または中止の日の翌日から起算して1月を経過した日以降」から「1月を経過する日以降」へ改める訂正です(連続する2回まで算定できる点は変わりません)。もう一つは、別添「施術録の記載・整備事項」にある「保険等の種類」について、6月1日の改正で落ちていた「国民健康保険」を第3号として戻し、以降を共済組合・後期高齢・その他へ繰り下げる訂正です(出典: 同一部訂正、令和8年7月21日)。料金表、説明資料、施術録様式へ反映します。
基本料金・多部位・長期・再検・明細書の概要
改定後は、初検料1,560円、再検料420円、打撲・捻挫の施療料770円、後療料550円です。電療料は該当区分に応じ80円または46円、冷罨法料は80円です(出典: 厚生労働省「算定基準」の一部改正、保発0601第4号)。
多部位は2部位目80%、3部位目60%、長期施術は所定料金の75%、長期かつ頻回は50%という入口があります。再検料は「初回後療日に限る」から「初回及び2回目の後療日に限る」へ変わり2回まで算定でき、410円から420円への金額差以上に施術録等の運用影響が大きい改定です。明細書発行加算は「明細書発行体制加算・月1回に限り10円」から「明細書発行加算・10円を算定する」へ名称ごと変わり、原則として月1回の制限が外れました(出典: 同算定基準(保発0601第4号)備考9、および「留意事項通知」の一部改正(保医発0601第1号)第5の4(9))。
| 改定項目 | 改定前 | 2026年7月以降 | 院内で直す場所 | 訂正確認 |
|---|---|---|---|---|
| 初検料 | 1,550円 | 1,560円 | 掲示・レセコン設定 | 6月1日通知 |
| 初検料の算定制限 | 中止から1月以上経過後は初検扱い | 治癒・中止の翌日から起算して3月内は同一施術所で算定不可(当初と異なる負傷・部位を含む) | 初検判定・施術録・患者説明 | 6月1日通知(留意事項・第2の1) |
| 再検料 | 410円・初回後療日のみ | 420円・初回と2回目の後療日 | 設定・施術録・説明 | 7月21日訂正も確認 |
| 打撲・捻挫 | 施療料760円・後療料505円 | 施療料770円・後療料550円 | 掲示・設定 | 6月1日通知 |
| 電療・冷罨法 | 電療75円または33円・冷罨法85円 | 電療80円または46円・冷罨法80円 | 設定 | 6月1日通知 |
| 多部位 | 3部位目60% | 2部位目80%・3部位目60% | 判定表・施術録 | 6月1日通知(算定基準・留意事項) |
| 長期 | 75%・50% | 起算方法等を改定 | 部位別台帳・理由書 | 6月1日通知(算定基準・留意事項) |
| 明細書 | 体制加算・月1回に限り10円 | 発行加算・交付のたびに10円(複数月分を1か月単位でまとめ交付した場合は同月内1回) | 掲示・明細書・月末確認 | 6月23日訂正も確認 |
まず院内の5か所を更新する

改定表の各行に、直す院内資産、担当、実施時点、確認証跡を割り当てます。数値を知っただけで完了にせず、患者が見る内容まで一致させます。
料金掲示・レセコン設定確認・施術録を更新する
料金掲示は項目名と改定値を照合し、適用日を明記します。既存レセコンは、院長がベンダーの現行案内と設定画面を照合し、初検料、再検料、施療料、後療料、電療料、冷罨法料、多部位、長期の設定が切り替わったかを確認します。自院で算定ロジックを上書きせず、不明点は請求窓口へ確認してください。
施術録は、再検の回数、部位別の初検日または初回施術日、治癒・中止、自己・自家施術の判定、明細書の交付を追える様式にします。さらに7月21日訂正を反映し、「保険等の種類」に国民健康保険が第3号として入り、共済組合・後期高齢・その他が第4号以降の連番になっているか確認します(出典: 厚生労働省「留意事項通知」の一部訂正、令和8年7月21日)。古い様式を複製して使い続けないよう版番号を付けます。
患者説明・明細書・月末確認を更新する
患者説明は料金だけでなく、算定方法が変わる項目も短い院内文面にします。個別の負傷・施術状況を確認せず一律の金額を断定しません。説明日と変更項目を簡易メモへ残し、掲示、口頭説明、明細の食い違いを月末に点検します。
明細書は、旧制度の「明細書発行体制加算・月1回に限り10円」から、新制度の「明細書発行加算・10円を算定する」へ切り替わり、月1回の制限が外れました。ただし、患者の求めに応じてある月に複数月分を1か月単位でまとめて交付した場合は、その月内1回に限ります(出典: 厚生労働省「算定基準」および「実施上の留意事項」の一部改正、保発0601第4号・保医発0601第1号)。名称、交付日、算定回数を月末確認表へ加えます。
| 院内資産 | 主な更新 | 担当例 | 完了証跡 |
|---|---|---|---|
| 料金掲示 | 項目名・改定値・適用日 | 院長 | 掲示写真と確認日 |
| レセコン | 現行版・設定・初回請求 | 院長 | ベンダー案内と確認記録 |
| 施術録 | 再検・部位・保険種別番号 | 施術者 | 新様式の版番号 |
| 患者説明 | 変更理由・説明日 | 施術者・受付 | 説明記録 |
| 明細書 | 名称・交付単位・算定 | 受付・院長 | 交付記録と月末点検 |
算定ルールの変更を患者単位で整理する

同じ改定日でも患者への影響は一様ではありません。施術日、負傷部位、経過、施術者との関係、交付状況で入口を分け、判定に使った記録を残します。
多部位・長期施術・再検の入口だけを判定する
多部位では、2部位目の対象が捻挫・打撲、3部位目が骨折・不全骨折・脱臼・捻挫・打撲で、4部位目以降の後療料等は3部位目までに含まれます。部位が先に治癒した場合は減少後の部位数で判定し、その日に一部位だけ施術しても、他部位が治癒していなければ逓減率は変えません(出典: 同実施上の留意事項、令和8年6月1日)。
長期は各部位の初検日または初検料を算定できない場合の初回施術日を含む月から起算し、骨折・不全骨折は減額対象から除きます。再検は初回と2回目の後療日を確認します(出典: 同算定基準および実施上の留意事項)。この記事では入口までとし、患者ごとの最終算定は施術録と既存レセコンで確定してください。
自己・自家施術と明細書交付を確認する
2026年7月改定では、柔道整復師が自分自身へ行う自己施術と、家族、関連施術所の開設者・従業員へ行う自家施術は支給対象外と明記されました(出典: 厚生労働省「実施上の留意事項」の一部改正、保医発0601第1号)。患者名だけでなく、施術者との関係を確認できる院内項目を用意します。
明細書は一部負担金の計算の基礎となった項目ごとに記載し、無償交付の掲示と実際の交付を確認します。交付するたびの算定と、複数月分を同じ月にまとめた場合の月1回という例外を分け、交付日を証跡にします。患者単位の確認順は、対象関係、施術日、部位・経過、明細書交付です。
交付しなかった日も未交付のまま放置せず、受付と院長が日次記録を照合します。
1人院と2〜3人院で切替工程を分ける

小規模院では専任担当を増やすより、作業順と確認者を固定します。施術中に数値を思い出して直す運用は避け、更新前後の証跡を一つの改定番号で結びます。
1人院が施術の合間に直す順序
1人院は、(1)6月1日の算定基準と留意事項を読む、(2)6月23日・7月21日の訂正を重ねる、(3)院内5資産へ変更を割り当てる、(4)レセコンの現行設定を確認する、(5)患者説明と明細書を切り替える、(6)初回請求月を点検する、の順で進めます。番号を飛ばさず、各工程に確認日を残します。
施術の合間に中断しても再開できるよう、「通知確認済み」「資産更新済み」「設定照合済み」「説明開始済み」「月末点検済み」を完了条件にします。料金表だけ先に掲示して案件を閉じず、7月21日訂正の再検文言と施術録の保険種別番号まで確認してください。
各完了条件には、通知の版、画面確認日、掲示写真、説明開始日、点検対象月のいずれかを証跡として添えます。
院長・受付で確認を分担する順序
2〜3人院では、院長が一次資料・算定・レセコン・施術録、受付が掲示・明細書交付・患者案内、各施術者が担当患者の部位と経過を確認します。受付へ算定判断を委ねず、院長の確認結果を短い運用表へ変換して共有します。修正者と最終確認者も分けます。
LINEで一斉に料金だけを送る前に、対象患者と説明内容を院長が確定します。受付は送信対象、送信日、返信要否を記録し、施術者は来院時の説明を簡易メモへ残します。初回請求月は、施術録、レセコン、申請内容、明細書の4点を患者単位で照合します。
差分が見つかった患者は担当施術者へ戻し、修正内容と再確認日を残してから月末点検を閉じます。
レセコンと患者管理の役割を混ぜない

改定対応で新しい道具を増やす前に、請求、施術記録、患者接点のどこへ正本を置くかを決めます。転記する情報と転記しない情報も定義します。
算定・請求は既存レセコンで確認する
療養費の算定と請求は、既存レセコンの現行版、ベンダー案内、厚生労働省通知に基づいて確認します。治療院HUBは、多部位や長期の算定を判定したり療養費請求を処理したりする機能ではありません。請求側の変更履歴はレセコンの確認記録に残します。
施術録は負傷、部位、初検・再検、治癒・中止、施術内容の正本です。整骨院のカルテ・施術録ガイドも参照し、患者連絡用の簡易メモで代用しません。算定に迷った患者は「要確認」として請求確定前に止め、予約画面の来院回数だけから算定しないでください。
確認を終えたら、誰がどの一次資料と設定画面を見たかを請求月の点検記録へ残します。
患者情報・来院履歴・説明記録を外側で整える
治療院HUBは、既存レセコンの外側でWEB予約、LINE連絡、患者情報、来院履歴、簡易メモ、自費メニューへの動線を管理します。改定の説明対象、説明日、次回来院を患者単位で追えるようにし、算定根拠となる施術録とは役割を分けます。
レセコンを変えずに患者管理を追加する考え方はレセコンはそのままで顧客管理を追加する方法で確認できます。境界表には「算定・請求」「施術録」「患者接点」の三列を置き、同じ情報を複数箇所で上書きしない運用を決めます。
患者説明の簡易メモには算定結果そのものを複製せず、説明した項目、説明日、次回確認だけを残します。予約変更があっても施術録の経過を自動で変更しないよう、更新権限と確認担当を分けてください。
柔整療養費改定のFAQ
適用日、訂正通知、既存患者への影響、治療院HUBの範囲を短く確認します。
いつの施術分から適用されますか
2026年7月1日以降の施術分からです。明細書発行加算の適用日表記も6月23日の事務連絡で同日に訂正されているため、古い資料の誤記を残さないでください。
6月公開の競合記事だけで対応できますか
十分とは限りません。6月23日と7月21日に訂正があり、7月21日訂正には再検の文言と施術録の保険等の種類の番号という二つの修正が含まれます。最新通知まで照合します。
改定前から通う患者にも新ルールが関係しますか
施行日以降の施術分は現行ルールで確認します。患者ごとの部位、初検日、治癒・中止、施術者との関係を施術録で確認し、改定前からの来院だけで一律判定しません。
治療院HUBで療養費請求を処理できますか
対応していません。請求は既存レセコン側で確認し、治療院HUBは患者情報、来院履歴、WEB予約、LINE連絡、説明記録、自費動線を外側から支えます。
まとめ|料金表より先に院内の変更箇所を一覧化する
2026年7月1日施術分からの柔整改定は、基本料金、多部位、長期、再検、自己・自家施術、明細書に及びます。6月1日の改正通知に、6月23日の適用日訂正と、7月21日の再検文言・施術録番号の訂正を重ねて最終版を作ってください。
料金掲示、レセコン、施術録、患者説明、明細書の5か所に担当・時点・証跡を割り当て、初回請求月に患者単位で照合します。差分は修正日まで記録します。算定・請求は既存レセコン、施術内容は施術録、予約・LINE・来院履歴は患者管理という境界を保つことが、1〜3人院で更新漏れを減らす近道です。
関連記事: 整骨院の受領委任・療養費入門 / 整骨院のカルテ・施術録ガイド / レセコンはそのままで顧客管理を追加する方法
レセコンを変えず、患者情報・予約・LINE・自費の継続管理を整える画面を確認できます。現在の予約受付と説明記録の流れを伺い、少人数院に合う役割分担をご案内します。料金は個別にご案内しますので、改定後の患者接点を見直したい方はお問い合わせください。


