
柔整療養費の多部位逓減|2部位目80%・3部位目60%の判定
柔整療養費の多部位逓減|2部位目80%・3部位目60%の判定
2026年7月以降の柔整療養費では、2部位目は対象を捻挫・打撲に限って80%、3部位目は対象傷病を広げて60%となり、4部位目以降は3部位目までの料金に含まれます。(出典: 厚生労働省「『柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準』の一部改正について」(令和8年6月1日 保発0601第4号)、同「『柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について(通知)』の一部改正について」(令和8年6月1日 保医発0601第1号))これは後療料、温罨法料、冷罨法料、電療料に適用する現行ルールです。
多部位逓減の確認では、「今日は何部位を施術したか」だけを見て率を戻しません。対象傷病、継続中の部位数、他部位の治癒日を施術録で確認し、申請内容と患者説明まで同じ状態にそろえます。柔整療養費の2026年7月改定の全体像と併せて、自院の月末確認へ落とし込んでください。
この記事では、多部位逓減だけに範囲を絞り、1部位目から4部位目以降までの扱い、2部位目と3部位目の対象差、治癒時の率変更を順に整理します。制度の入口は整骨院の受領委任・療養費入門で確認できます。
多部位逓減の現行ルールを早見する

多部位逓減とは、同一患者の複数部位を施術する場合に、部位順と対象傷病に応じて所定料金を減額する仕組みです。まず部位順、率、対象項目を一枚にします。
2部位目80%・3部位目60%の定義
施術部位が2部位以上の場合、後療料、温罨法料、冷罨法料、電療料は、2部位目を所定料金の80%、3部位目を60%で算定します(出典: 厚生労働省「『柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準』の一部改正について」(令和8年6月1日 保発0601第4号))。率だけを料金表へ転記せず、どの傷病が各部位順の対象になるかも組にして確認します。
1部位目はこの多部位逓減の対象ではありません。月末表には、患者名だけでなく、部位名、傷病種、部位順、適用率、継続・治癒の状態を並べると、80%と60%の取り違えを見つけやすくなります(出典: 同算定基準改正通知)。
4部位目以降が包含される意味
4部位目以降の施術に係る後療料、温罨法料、冷罨法料、電療料は、3部位目までの料金に含まれ、別枠では算定しません(出典: 同算定基準改正通知、令和8年6月1日)。「4部位目を0%で計算する」のではなく、対象費用が包含されるという整理です。
| 部位順 | 率・扱い | 確認する対象 |
|---|---|---|
| 1部位目 | 多部位逓減なし | 傷病・施術内容 |
| 2部位目 | 所定料金の80% | 捻挫・打撲(出典: 保発0601第4号・保医発0601第1号) |
| 3部位目 | 所定料金の60% | 骨折・不全骨折・脱臼・捻挫・打撲(出典: 同通知) |
| 4部位目以降 | 3部位目までに包含 | 部位状態と施術録 |
2部位目と3部位目の対象傷病を分ける

2026年7月改定では、率だけでなく2部位目の対象範囲が重要です。2部位目と3部位目を同じ傷病リストで扱わないよう、判定列を分けます。
2部位目で対象となる捻挫・打撲
2部位目の多部位逓減の対象は、捻挫と打撲です(出典: 厚生労働省「『柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について(通知)』の一部改正について」(令和8年6月1日 保医発0601第1号))。骨折、不全骨折、脱臼まで含むと決めつけず、負傷名と部位順を先に照合します。
たとえば患者に複数の負傷があっても、「二つあるから2部位目80%」と機械的に処理しません(出典: 同実施上の留意事項改正通知)。施術録に記載した傷病種、現在の施術部位、部位順が通知の対象に合うかを院長または施術管理者が確認します。
3部位目で対象となる傷病の範囲
3部位目は、骨折、不全骨折、脱臼、捻挫、打撲が多部位逓減の対象です(出典: 同実施上の留意事項改正通知、令和8年6月1日)。2部位目より対象範囲が広いため、判定表を一つの「対象・対象外」欄だけで済ませると差を落とします。
| 傷病種 | 2部位目80% | 3部位目60% | 出典 |
|---|---|---|---|
| 捻挫・打撲 | 対象 | 対象 | 保医発0601第1号 |
| 骨折・不全骨折・脱臼 | 対象に含めない | 対象 | 同通知 |
この表は算定結果を自動決定するものではありません。実際の患者は施術録と現行通知を確認し、既存レセプトコンピュータの設定と突合します。
部位数が変わる場面を判定する

逓減率が変わる契機は、当日の施術数ではなく、他の部位が治癒して継続部位数が減ったかどうかです。治癒日と当日未施術を別欄にします。
一部位が治癒した場合の扱い
多部位の負傷を施術中に特定部位が先に治癒し、施術部位数が減った場合は、減少後の施術部位数に応じた逓減率で算定します(出典: 同実施上の留意事項改正通知、令和8年6月1日)。率を変える前に、治癒した部位、治癒日、残る部位の順を施術録で確定します。
月末にまとめて記憶から直すと、治癒前後の境目が曖昧になります。施術日に状態を記録し、率の変更日と申請内容を照合してください。整骨院のカルテ・施術録ガイドの記録項目も参考になります。
当日に一部位だけ施術した場合の扱い
2部位以上の施術期間中、その日に1部位だけを施術しても、それだけを理由に逓減率は変更しません。変更されるのは、他部位が治癒したことによる場合だけです(出典: 同実施上の留意事項改正通知、令和8年6月1日)。
判定順は、(1)継続中の部位を確認する、(2)治癒した部位と日付を確認する、(3)当日施術しなかっただけの部位を分ける、(4)減少後の部位順を確認する、です。予約履歴の来院回数や当日の入力件数だけで率を戻さないでください。
施術録・申請書・患者説明を突合する

同じ患者について、施術録、申請内容、患者への説明が別々の部位状態を示さないようにします。正本と確認時点を決めた三資料照合が有効です。
月末に確認する部位状態と日付
施術録では、部位、傷病種、初検日、施術日、治癒・継続、状態変更日を確認します。申請内容では部位順と率を照合し、患者管理側では説明日と次回確認だけを持ちます。算定根拠となる記録を患者メモへ置き換えないことが重要です。
| 照合先 | 月末に見る項目 | 正本・役割 |
|---|---|---|
| 施術録 | 傷病種・部位・治癒日 | 施術と経過の正本 |
| 申請内容 | 部位順・適用率 | 請求前の照合対象 |
| 患者説明 | 説明項目・説明日 | 患者接点の記録 |
差があれば請求確定前に止め、誰が施術録を確認し、いつ修正・再確認したかを月末表へ残します。
患者へ負担変化を説明して記録する
患者には、複数部位の扱いと部位状態によって一部負担額が変わり得ることを、実際の確認結果に沿って説明します。率だけを先に断定せず、説明した項目、説明日、質問の有無を簡易メモへ残します。
1〜3人院では、院長が算定確認、担当施術者が部位状態の確認、受付が説明済みの印を担当すると分担できます。1人院なら施術後に部位状態を記録し、会計前に率、会計後に説明メモを確認する順番を固定します。
保険算定と自費の選択肢を混同しない

多部位逓減は保険算定のルールです。自費メニューの提案や次回来院の管理とは、目的と記録先を分けて運用します。
算定は既存レセコンで確認する
療養費の算定・請求は、現行通知、施術録、既存レセプトコンピュータ側で確認します。治療院HUBは、傷病の対象性や適用率を判定したり申請書を作成したりする機能ではありません。
既存レセプトコンピュータの設定画面では、2部位目と3部位目の扱い、4部位目以降の包含、治癒後の部位数を確認します。不明点はベンダーや請求窓口へ照会し、患者管理画面の予約件数から算定を推測しないでください。
自費を説明した事実と次回来院を別管理する
保険算定の可否と、自費メニューを患者へ説明することは別です。整骨院の自費メニュー移行ガイドを参考に、選択を急がせず、説明内容と患者の意向を記録します。保険記録を書き換えて自費提案の履歴を作らないようにします。
治療院HUBでは、WEB予約、LINE連絡、患者情報、来院履歴、簡易メモ、自費の継続動線をレセコンの外側で管理します。多部位逓減の算定結果を複製せず、「説明済み」「次回来院で再確認」といった患者接点だけを追います。
レセコンはそのままに、患者説明と次回来院の抜けを減らしたい場合は、治療院HUBの機能で予約・患者管理の範囲を確認できます。
多部位逓減のFAQ
率、対象傷病、4部位目以降、治癒前の当日未施術について、迷いやすい境界を確認します。
2部位目はすべての傷病が80%ですか
いいえ。2部位目の多部位逓減は捻挫と打撲が対象です。3部位目は骨折、不全骨折、脱臼、捻挫、打撲が対象となるため、同じ傷病リストで判定しません。
4部位施術では4部位目を別に算定できますか
対象となる後療料、温罨法料、冷罨法料、電療料について、4部位目以降の費用は3部位目までの料金に含まれます。4部位目を独立した同項目として上乗せしません。
当日1部位しか施術しないと逓減率は戻りますか
戻りません。2部位以上の施術期間中に当日1部位だけを施術した場合も、他部位が治癒していなければ逓減率を変更しないと通知に示されています。
1部位が治癒したらいつ率を変えますか
特定部位が治癒して施術部位数が減少した場合に、減少後の部位数に応じた率へ変えます。治癒した部位と日付を施術録で確定し、申請内容へ反映した時点を記録してください。
まとめ|傷病・部位状態・施術録を同時に確認する
2026年7月以降は、2部位目の捻挫・打撲を80%、3部位目の骨折・不全骨折・脱臼・捻挫・打撲を60%で扱い、4部位目以降の対象費用は3部位目までに含めます(出典: 保発0601第4号・保医発0601第1号)。傷病種と部位順を同時に確認してください。
率を変えるのは他部位が治癒して継続部位数が減った場合です。当日に1部位だけ施術したという理由では変えません。施術録を正本として治癒日、申請内容、患者説明を月末に照合し、算定は既存レセプトコンピュータ、患者接点はCRM・予約管理という境界を保ちます。
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