整骨院の施術明細書・領収書|発行義務と様式・無償交付のルール【2026年版】
お役立ち情報

整骨院の施術明細書・領収書|発行義務と様式・無償交付のルール【2026年版】

2026年7月23日23分で読める

整骨院の施術明細書・領収書|発行義務と様式・無償交付のルール【2026年版】

整骨院(柔道整復)が受領委任で保険施術を行い、患者から一部負担金を受け取るときは、正当な理由がない限り領収証を無償で交付する義務があります。加えて明細書は、令和4年(2022年)10月から一定の施術所で、令和6年(2024年)10月からは明細書交付機能付きのレセプトコンピュータ(レセコン)を設置する施術所で、無償交付が義務化されました。

ポイントは、これらが「療養費(保険)の一部負担金を受け取るとき」のルールであり、対象となる施術所が限定されることです。本記事では、領収証と明細書の違い、義務化の対象と時期、厚生労働省が示す様式と必須記載項目、自費(保険外)施術の領収書との違いまでを、厚労省・地方厚生局の一次ソースで整理します(本記事は整骨院=柔道整復に限定し、はり・きゅう等あはきの義務化時期は扱いません)。

整骨院の施術明細書・領収書とは|発行義務を結論から

まず、混同されやすい3つの書類を切り分けます。領収証は「いくら受け取ったか」を示す会計上の証票、明細書は「その金額の内訳(施術項目ごと)」を示す書類、レセプト(療養費支給申請書)は施術所が保険者へ請求するための書類で、患者へ渡すものではありません。

領収証・明細書・レセプトの違いを整理した早見表
領収証・明細書・レセプトの違いを整理した早見表

領収証・明細書・レセプトの違い(定義と早見表)

3つの書類は目的も渡す相手も異なります。整骨院の会計実務では、患者に渡すのが領収証と明細書、保険者に出すのがレセプト、と押さえると整理できます。

書類主な内容渡す相手
領収証受け取った一部負担金の金額患者
明細書一部負担金の計算の基礎となった項目ごとの内訳患者
領収証兼明細書上記2つを1枚に兼ねたもの患者
レセプト(療養費支給申請書)保険者への療養費請求内容保険者

出典:九州厚生局「柔道整復師の方へ(受領委任の取扱いに関する通知等・様式)」。

「領収書」と「領収証」はどちらの表記が正しいか

検索では「領収書」で調べる方が多いですが、柔道整復療養費の通知や様式では「領収証」という表記が用いられます。日常的にはどちらも同じ意味で使われるため、患者向けの案内では「領収書」でも差し支えありません。

一方、行政の様式名や院内掲示を作る際は、通知に合わせて「領収証」「領収証兼明細書」と表記しておくと、様式との対応が分かりやすくなります。本記事でも制度を説明する部分では「領収証」に統一しています。

整骨院の発行義務|領収証は受領委任の全施術所・明細書は対象拡大中

領収証と明細書では、義務のかかり方が異なります。領収証は受領委任を取り扱う施術所に広く義務がある一方、明細書は「対象となる施術所」が段階的に拡大してきた点が特徴です。

明細書の無償交付義務化の対象と時期を示すタイムライン
明細書の無償交付義務化の対象と時期を示すタイムライン

領収証の無償交付義務(受領委任を取り扱う施術所)

受領委任を取り扱う整骨院は、患者から一部負担金の支払いを受けるとき、正当な理由がない限り領収証を無償で交付しなければなりません(厚生労働省「柔道整復師の施術に係る療養費について」受領委任の協定・契約 別紙20「領収証及び明細書の交付」)。

「正当な理由がない限り」という留保は付きますが、実務上は会計のたびに領収証を無償で渡すのが基本です。交付手数料を上乗せするような運用は想定されていません。

明細書の無償交付義務化と対象拡大(令和4年10月→令和6年10月)

明細書の無償交付が義務化されたのは令和4年10月1日の施術分からです。当初の対象は「明細書発行機能が付与されたレセコンを使用し、かつ常勤職員(柔道整復師に限らず事務職員等を含む)が3人以上である施術所」でした(厚生労働省 令和4年5月27日付保医発0527第1号)。

その後、令和6年10月1日から対象範囲が拡大され、「常勤職員3人以上」という要件が撤廃されました。以後は明細書交付機能付きのレセコンを設置している施術所すべてが、無償交付の対象になります(厚生労働省 令和6年5月29日付保発0529第3号)。

レセコンの明細書発行機能の有無で変わる対象範囲

令和6年10月以降の判断軸は「明細書交付機能付きのレセコンを設置しているか」です。設置している施術所は原則として無償交付が義務になります。

一方、これに該当しない施術所(明細書交付義務化対象外施術所)は、患者から求められたときに交付するか、あらかじめ届け出れば有償で交付することもできます。ただし届出の有無にかかわらず、明細書を「有償(●●円)で交付する旨」または「無償で交付する旨」を院内に掲示することが必要です(厚生労働省「柔道整復療養費に係る明細書の交付について」被保険者向け解説)。自院がどちらに当たるかは、使っているレセコンの機能から確認します。レセコンと患者管理システムの役割分担は、レセコンはそのままで顧客管理・リピート対策を追加する併用ガイドで解説しています。

明細書・領収証の様式と必須記載項目

厚生労働省(地方厚生局)は、領収証・明細書・領収証兼明細書の標準様式を示しています。領収証と明細書は1枚で兼ねることができ、実務では領収証兼明細書を使う院が多くなっています。

領収証兼明細書の必須記載項目のイメージ図
領収証兼明細書の必須記載項目のイメージ図

厚労省「領収証兼明細書」の様式と必須記載項目

地方厚生局は、領収証(別紙様式1)・明細書(別紙様式2)・領収証兼明細書(別紙様式3・様式4)を配布しています。明細書は「一部負担金の計算の基礎となった項目ごとに記載する」ことが求められ、初検料・後療料・罨法料・電療料・明細書発行体制加算・一部負担金などの内訳を示します(出典:九州厚生局「柔道整復師の方へ」の配布様式)。

実際に作成するときは、地方厚生局が配布する様式の原本をそのまま使うのが確実です。項目名や並びを独自に作り替えず、様式に沿って記載することで、記載漏れや様式不備を防げます。

なお、無償で明細書を交付する施術所は、明細書発行体制加算として月1回に限り10円を算定できます(令和4年10月〜は13円、令和6年10月1日以降は10円。出典:厚生労働省「柔道整復師の施術料金の算定方法」保発0529第4号)。全患者に無償交付する場合に限り算定でき、求めに応じてのみ交付する運用では算定できません。

自費(保険外)施術の領収書に記載すべき項目

ここまでの領収証・明細書の無償交付義務や明細書発行体制加算は、いずれも「療養費(保険)の一部負担金を受け取るとき」の制度です。自費(自由診療)の施術は、この明細書交付義務の対象ではありません(出典:厚生労働省 留意事項通知 保医発0529第1号)。

とはいえ、自費でも会計上や患者の医療費控除等のために領収書を発行するのが一般的です。日付・金額・施術内容の内訳・発行者(院名)などを記載しておくと、患者にとっても分かりやすくなります。保険分と自費分は領収書を分け、混在させないことが実務のポイントです。

保険分と自費分の領収書を分けて発行する整理図
保険分と自費分の領収書を分けて発行する整理図

交付漏れを防ぐ発行・保存の実務手順

義務の対象になる施術所では、会計のたびに領収証(対象なら明細書も)を無償で交付し、その記録を残す運用を仕組み化しておくと安心です。属人的な対応にせず、会計フローに組み込むのが交付漏れ防止の近道です。

会計時に領収証・明細書を無償交付する運用フロー
会計時に領収証・明細書を無償交付する運用フロー

会計時に領収証・明細書を無償で交付する運用フロー

基本の流れは、(1)施術後の会計で一部負担金を受け取る、(2)領収証を発行する、(3)対象施術所は明細書も同時に交付する、(4)院内掲示(有償・無償の別)を整えておく、の4ステップです。対象外の施術所でも、求められたときにすぐ出せる準備をしておくと対応がスムーズです。

会計とあわせてキャッシュレス決済を導入している院では、決済記録と領収証の整合も確認しておきましょう。導入時の注意点は治療院のキャッシュレス決済 導入ガイドで解説しています。

発行控えの保存と患者管理システムでの一元化

施術録(カルテ)は、施術が完結した日から5年間保存しなければなりません(施術録の書き方・保存の根拠は整骨院のカルテ(施術録)完全ガイドを参照)。領収証・明細書の控えも、施術録や会計記録と紐づけて保存しておくと、患者からの照会や返戻対応の際に金額と内訳の整合を示しやすくなります。

紙で個別に管理すると保存漏れや突合の手間が生じます。予約・会計・患者情報を一元管理できる仕組みにしておくと、いつ・誰に・いくらの領収証を発行したかを後から追いやすく、交付・保存の抜けを防げます。

よくある質問

Q1. 整骨院は患者に領収証を必ず発行しないといけませんか?

受領委任を取り扱う整骨院は、患者から一部負担金を受け取るとき、正当な理由がない限り領収証を無償で交付する義務があります(厚生労働省「柔道整復師の施術に係る療養費について」別紙20)。実務上は会計のたびに無償で発行するのが基本で、交付手数料の上乗せは想定されていません。

Q2. 明細書の発行義務はいつから、どの整骨院が対象ですか?

明細書の無償交付義務は令和4年10月1日の施術分から始まり、当初は「明細書発行機能付きレセコンを使用し常勤職員3人以上の施術所」が対象でした(保医発0527第1号)。令和6年10月1日からは常勤3人以上の要件が撤廃され、明細書交付機能付きのレセコンを設置する施術所すべてが対象になりました(保発0529第3号)。

Q3. 明細書を発行すると手数料や加算はもらえますか?

明細書を無償交付する施術所は、明細書発行体制加算として月1回に限り算定できます。金額は令和6年10月1日以降10円です(令和4年10月〜は13円。厚生労働省「柔道整復師の施術料金の算定方法」保発0529第4号)。全患者に無償交付する場合に限り算定でき、求めに応じてのみ交付する場合は算定できません。

Q4. 領収証と明細書は1枚にまとめてよいですか?

まとめられます。地方厚生局は「領収証兼明細書」の様式(別紙様式3・様式4)を配布しており、領収証と明細書を1枚で兼ねることができます(九州厚生局「柔道整復師の方へ」の配布様式)。記載は様式の原本に沿って行うと、項目の抜けや様式不備を防げます。

Q5. 自費(保険外)だけの施術でも領収書の発行義務はありますか?

領収証・明細書の無償交付義務は、療養費(保険)の一部負担金を受け取るときの制度で、自費(自由診療)はこの明細書交付義務の対象ではありません(保医発0529第1号)。ただし会計や患者の医療費控除等のために、日付・金額・内訳・発行者を記した領収書を発行するのが一般的です。保険分と自費分は分けて発行します。

まとめ

整骨院の領収証は、受領委任を取り扱う場合、正当な理由がない限り無償で交付する義務があります。明細書は令和4年10月に一定の施術所で義務化され、令和6年10月からは明細書交付機能付きのレセコンを設置する施術所すべてに対象が拡大しました。様式は地方厚生局の「領収証兼明細書」を使い、無償交付する施術所は明細書発行体制加算(月1回・10円)を算定できます。自費の領収書は保険の明細書交付義務とは別制度なので、保険分と自費分を分けて発行し、控えは施術録や会計記録と紐づけて保存しましょう。なお令和8年(2026年)7月1日施行の改定は料金表が中心で、明細書の無償交付義務や加算(10円)の枠組みは変わっていません。


保険の交付物対応を、患者管理とひとつに

治療院HUBは整骨院・鍼灸院に特化した業務管理SaaS。予約・患者管理・LINE再来案内・回数券管理・離脱/リピート分析を1つに集約し、会計と患者対応の記録を一元化します。レセプト・保険請求機能は搭載せず、既存のレセコンとそのまま併用できます。

料金・機能の詳細や無料での製品体験は、お問い合わせからご案内しています。

治療院HUBに問い合わせる →


関連記事

関連記事